巡視船つくば


閲覧式で海上を走る巡視船つくば

巡視船つくば (PS13) について

 千葉県有数の観光地である銚子には、日本を代表する灯台である犬吠埼灯台があり、太平洋を望む景勝地であることが全国的に知られています。毎年元旦には関東のみならず日本全国から初日の出を拝みに多くの観光客が訪れます。 しかし犬吠埼沖には岩礁が多く、加えて多数の船がこの付近を通過するため、かねてより船の事故が多く、鳴門海峡、伊良湖岬沖と並んで船の三大難所と言われています。

 また、銚子漁港に近い利根川河口は、狭い上に多くの漁船が航行するため、船の事故が多い要因となっています。このため、つくばを始めとする銚子海上保安部に所属する巡視船艇は、銚子沖や九十九里沖などで多発する海難に対応するために配備されています。 2020 (令和2) 年の夏期においては、九十九里や神栖市の海岸で発生した人身事故への対応を行いました。

 このほかにも海上における人身事故防止等を目的とした海浜パトロールや、プレジャーボート、漁船等への立入検査など、日々海の安全確保のために業務を行っています。

用途 警備救難業務
総トン数 195トン
長さ 46.0メートル
7.5メートル
竣工年月 2009 (平成21) 年3月
同型船 180トン型巡視船 (同型船は あかぎ (茨城) など)
所属部署 銚子海上保安部
備考 推進器にはウォータージェットを採用

主な構造, 装備



1 PM型以上の巡視船の場合、錨は両舷に1つずつ設置されていますが、多くのPS型巡視船には船首に1つ設置されています。
2 船橋 ここで船を操船しています。
3 遠隔監視採証装置 不審船の早期発見や遭難者救助のために使用し、夜中であっても遠く離れたところからでも捜索が出来るカメラです。
4 紅色閃光灯 パトカーでおなじみのいわゆるパトランプですが、実は船にも設置されているんです。海難救助時などの緊急時に点滅します。
5 レーダー
6 停船命令表示装置 必要に応じて他の船舶を停船させるために、中国語や韓国語などの言語で停船を命じる言葉を表示します。災害時には防災情報や巡視船による給電などの支援に関する情報を表示させたりもします。
7 搭載艇

ギャラリー

銚子港に着岸している「つくば」

国際信号旗が色鮮やかに映える「満船飾」

定係岸壁に着岸中のつくば (同岸壁に着岸中の「かとり」から撮影)

歴史

初代つくば

初代つくば (1962 (昭和37) 年3月30日 -1982 (昭和57) 年2月6日)

 銚子海上保安部に初めて配備された「つくば」です。銚子港は河口が狭く、波浪やうねり、川の流れ等による三角波が発生するために船の操縦は困難ですが、 そのような状況下でも十分な救難業務が行えるようにと設計されました。錨が左舷側に1つだけ設けられています。

2代目つくば

2代目つくば (1982 (昭和57) 年2月24日 -2009 (平成19) 年2月6日)

 初代つくばにならい、機動性や高速航行を重視した小型巡視船です。2009年まで銚子で活躍しました。

2009 3代目つくば配備
2代目つくば退役
1982 2代目つくば配備
初代つくば退役
1962 初代つくば配備

最終更新: 2021年8月24日