パンくずリストコンテナ

野島埼灯台

 野島埼灯台は、房総半島最南端となる千葉県南房総市白浜町にあり、 明治2年12月18日(1870年1月19日)に初めて点灯し、 令和元年(2019年)に点灯150周年を迎えた歴史ある灯台です。

機能

 野島埼灯台の光り方(灯質)は、15秒に1回、白く光り (単閃白光 毎15秒に1回閃光)、灯台の光は17.0海里 (約31km)まで届きます。

 灯台の光は、海上方向となる254度から101度の方向に出るようになっています。 また、80度から101度の方向は灯台の光が明るく見えるようになっていますが、 鬼ケ瀬と呼ばれる浅瀬や岩礁があり、灯台の光が赤く見える範囲は危険であることを 知らせるために灯台の光を赤くしています。

歴史

 慶応2年5月に幕府とアメリカ、イギリス、フランス、オランダの4か国 が江戸で調印した江戸条約(改税条約)は関税率の軽減や主要な港の開港など 貿易の便宜を図るためのものですが、条約では外国商船の安全のため灯台などの 航路標識の設置を求められ、8ヶ所(剱埼、観音埼、野島埼、神子元島、樫野島、潮岬 、佐多岬、伊王島)に灯台を設置することとなりました。

 野島埼灯台は、フランス技術者ヴェルニーの部下フロランに設計を命じ、 建設されました。明治2年1月10日(1869年2月20日)に木造の櫓で仮設灯台 が建設され、その11ヶ月後の明治2年12月18日(1870年1月19日)に高さ 30mの八角形のレンガ造りの白い灯台が完成し、点灯を開始しました。

 大正12年(1923年)9月1日の関東大震災により、野島埼灯台も倒壊しました。 倒壊した灯台の復旧工事は大正13年(1924年)9月から始まり、大正14年 (1925年)8月15日に完全復旧しました。 新たに建設された灯台は鉄筋コンクリートで造られています。

 昭和16年(1941年)12月8日から始まった太平洋戦争のさなか、 野島埼灯台は攻撃目標となり、灯台は機銃掃射により上部が破壊され、特にレンズは 完全に破砕され使用不能となりました。終戦後の昭和22年(1947年)11月25日 にレンズが新たに取り付けられ灯火が復旧しました。このレンズは、現在も使用しています。

皇室と灯台

 野島埼灯台には全国の灯台で最も多い5回行幸啓あそばされております。

① 昭和23年1月6日  皇太子殿下、行啓

② 昭和28年5月6日  天皇皇后両陛下、行幸啓

③ 昭和39年3月22日 皇太子同妃両殿下、行啓

④ 昭和45年3月9日  皇太子同妃両殿下、行啓

⑤ 昭和48年3月23日 皇太子同妃両殿下、行啓

登録有形文化財

 野島埼灯台は、国土の歴史的景観に寄与しているものと認められ、 また、関東地方の海運振興に寄与するとともに地域のシンボルとして 親しまれていることから、平成24年(2012年)2月23日に 国の登録有形文化財に登録されました。

アクセス

 野島埼灯台へのアクセスについては、南房総市観光協会が提供している 「しらはま観光マップ」をご覧ください。

洲埼灯台

 洲埼灯台は、房総半島最西端となる千葉県館山市にあり、大正8年(1919年) 12月15日に初めて点灯し、令和元年(2019年)に点灯100周年を 迎えた歴史ある灯台です。

機能

 洲埼灯台の光り方(灯質)は、30秒毎に白い光と赤い光が交互に1回ずつ光り (単閃白赤互光 毎30秒に白1閃光、赤1閃光)、灯台の光は、18.5海里(34km) まで届きます。野島埼灯台(17.0海里(31km))に比べて光が遠くまで届きますが これは洲崎灯台のほうが標高が高く、灯火の位置が高くなるためです。 灯台の光は、海上方向となる2度から252度の方向に出るようになっています。 なお、ついとなる剱埼灯台は、30秒毎に白い光2回と緑の光が1回光ります。 (複合群閃光白緑互光 毎30秒に白2閃光、緑1閃光)

歴史

 洲埼灯台は、東京湾と太平洋の分岐点で、古くから「汐のみち」と呼ばれる 海上交通の危険個所である洲埼沖の海上安全のために建設されました。

 大正14年(1925年)6月29日、関東大震災(大正12年(1923年)9月1日発生) による地盤移動に伴い、明弧(灯火が見える範囲)が変更となりました。

 昭和16年(1941年)12月8日から始まった太平洋戦争のさなか、洲埼灯台 についても攻撃目標となりレンズ破損により不動灯となりましたが、昭和22年(1947年) 6月17日から修繕が開始され、同年6月24日に灯火が復旧。その後、昭和24年 (1949年)9月16日に破損したレンズの撤去と新レンズへの交換が実施されました。 このレンズは現在も使用しています。

登録有形文化財

 洲埼灯台は、初期のコンクリート造り灯台として価値があり、 再現することが容易でないものと認められ、また、東京湾口の航行に寄与していることから 平成27年(2015年)3月26日に国の登録有形文化財に登録されました。

アクセス

 洲埼灯台へのアクセスについては、館山市観光協会が提供している 案内をご覧ください。