◇◆◇ 航路標識の設置について ◇◆◇

  海上において、工事作業を行ったり、漁業施設その他の構造物を設けるときは、その作業や施設の保安
 を図り、かつ、付近を通航する船舶の安全を確保するために、工事区域や構造物を明示する標識の設置が
 必要です。
  このように海上交通の安全を図るために設置する「航路標識」には、それぞれの設置場所や標示目的に
 よって「標識の塗色・灯火の色・光り方(灯質)」が国際ルールで定められています。
  航路標識には、海上保安庁が設置する航路標識と海上保安庁以外の事業者が自分の行う事業のために
 設置する航路標識があります。また、事業者が設置する航路標識には海上保安庁長官の許可を受けて設置
 する航路標識(許可標識)、許可を必要としないが届出の義務のある航路標識(届出標識)、許可及び届出の
 義務を必要としない航路標識(簡易標識)があります。
  「届出標識」とは、鉛直投影面積が2平方メートル以上の航路標識を指し、光の強さが15カンデラ未満であって
 も該当します。
  「簡易標識」は海上保安庁長官の許可が必要ないとはいえ、船舶運航者にとっては重要な指標となりま
 すので、その設置にあたっては、
航路標識の塗色、灯火の色、光り方等その目的に応じて適切に対応する
 必要があります。


    航路標識の設置に当たっては次の点に注意して下さい。

  航路標識を設置しようとする際は、設置場所の立地条件、標識の規格等について最寄の海上保安部署に
 相談して下さい。
  簡易標識は海上保安庁の許可は必要としませんが、設置したときは最寄の海上保安部署へ届出ましょう。
  また、設置海域の状況変化等により標識規模を許可標識とする必要がある場合には、許可標識への移行

 を図りましょう。
  設置後、航路標識を正常に維持するため、障害時に対応できる十分な予備品を備えるとともに、標識の監
 視体制の確保に努めましょう。

    海上保安庁長官の許可を必要とする航路標識の規模は表のようになっております。

種 別 意   味 光の強さ(光度)
灯 台 陸岸や防波堤等に設置し、岬角や港口等を明示する光を発するもの 15カンデラ以上
灯 標 岩礁や浅瀬等に設置して、危険な障害物を明示する光を発するもの 15カンデラ以上
灯浮標 航路や危険な障害物を明示す光を発するもの 15カンデラ以上
橋梁灯 橋梁に設置して、その橋梁下の航路や可航幅を明示するもの 15カンデラ以上