さまざまな
   航路標識(海のみちしるべ)

 船は海の上を自由に航行しているように見えますが、海にも陸の道路と同じように安全に航行するための航路(船が通る道)というものがあります。
 この航路を示し、船の安全な航行を助けるのが航路標識で、沿岸を航行する際に利用する灯台やディファレンシャルGPS、港やその周辺で利用する灯浮標(ブイ)、防波堤灯台、浅瀬や障害物などを示す灯標や無線方位信号所(レーダービーコン)などがあります。
 航路標識の塔などの色、光の色・光り方などは、役割に応じて国際的な基準があり、船はその意味(役割)がわかるようになっています。
 ここでは航路標識の種類とその役割について紹介します。




灯台(とうだい)
 遠い海から陸地に近づく船のために立っている灯台は、なるべく遠くから見えるように塔を高くするか、 高い場所に建てられていて、強い光強い光を出しています。
 港の防波堤に建っているものもあります。


尻屋埼灯台(青森県)



灯浮標(とうふひょう)
 船に暗しょうや、浅瀬のあるところを示したり、 きめられた安全なコースに導くため、海に浮かべられた標識です。
 水面に浮かんでいる標体と海底においたおもりとをチェーンでつないでいます。

伊勢湾灯浮標(三重県)



照射灯(しょうしゃとう)
 暗しょうや、防波堤の先などを強い光で照らし、船に危険な場所を知らせます。




灯標(とうひょう)
 波のあいだの見えかくれする岩とか浅いところに船が乗りあげないように、暗しょうや浅瀬などの上に立っています。灯浮標と同じように航路を示すものもあります。




指向灯(しこうとう)
 1つの塔から3色の光を出して、船から見てまん中の安全なコースを白光で示し、コースから右側にそれると赤光、左側にそれると緑光が見えるようになっています。
鹿島港指向灯(茨城県) 指向灯の説明



導灯(どうとう)
 港や湾の入口などで、船がまっすぐに進まなければならないところに、低い塔と高い塔が一組になって立っています。
 船はこの一組の塔かその光が上下に並んで見えるようにして進みます。

彦島導灯(福岡県) 導灯の説明



レーダービーコン
 レーダービーコンとは、船から発射されたレーダー波に対して電波(マイクロ波)を発射し、送信局の位置を知らせるものです。




ディファレンシャルGPS
 GPSはアメリカが運用する衛星航法システムで、標準測位サービスが民間にも開放されています。ディファレンシャルGPSは、GPSの民間利用時の精度を1m以下にまで向上させるため、測位誤差を中波無線標識局の電波を使って利用者に知らせるシステムです。また、同時にGPSの故障など異常発生の情報も知らせています。



次のSection へ進む